色絵二節句に見込鯉図大鉢 オールド香蘭社製 明治後期
香蘭社の盛期の逸品と言っても過言ではないでしょう
琳派の様式美とリアルな鯉図の取り合わせが見事である
ー明治伊万里研究家 蒲地孝典記ー
#ジャポニズム#明治伊万里#香蘭社
モノづくりに於いて、深い教養と知性、そして品格を重んじていた時代にはこの様なものが生まれていた。単純に企業存続の意思などは微塵もなかった筈である。有田焼の誇りには、漢籍に育まれた高い道徳律があったと言えるのではなかろうか!
それと、「恒産なくして恒心なし」である。
心が豊かだけで立派な行いができる人は僅かである。
やはり、文化芸術に本物を甦らせるには、マツリゴトに於ける経世済民を図らねばらない。
富の格差、偏在は人心を貧しくするのである。政治家や官僚、加えて財界人に文化芸術のわかる人が少ないことも嘆かわしい。
最近、世間を騒がせている「接待の中身」を考えていると多くの疑念が浮かぶ。価値の概念が揺らいでいるのである。
この逸品を鑑賞しながら、高尚なこと、下劣なことが綯い交ぜに頭をよぎつた。
蒲地孝典Facebookより